Pro’s Views

[Pro’s View] (7)公認会計士 山田真哉さん

様々な世界の第一線で活躍されているプロフェッショナルの方々に、その視点や考え方についてお聞きするインタビュー「Pro’s View」。

今回は、芸能界や出版界などで活躍するプロたちの確定申告や会計のサポートを行なっている芸能文化会計財団の理事長である、公認会計士・税理士山田真哉さんにお話を伺います。ご自身も『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』『女子大生会計士の事件簿』等のベストセラーをはじめ多くの著作を手がけ、テレビ出演やドラマ監修など幅広く活躍されている山田先生に、お仕事のことやスマホの活用方法など様々なことをお聞きしました。

■仕事のこと

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現在理事長を務めている芸能文化会計財団は、芸能界の方々や芸能関係の会社、例えばテレビ制作会社や芸能事務所などからの顧問依頼や相談を多く請けています。この4月からは、フジテレビ月9『ようこそ、わが家へ』とNHK火曜夜10時『美女と男子』のドラマの監修もしています。これまでにもドラマ監修はいろいろやりましたが、監修の関わり方は作品によって様々で、どうやったら面白くなるかとプロットに関わるアイデア出しに参加することもあるし、経済の仕組みを分かりやすく解説するための資料をひたすら用意するADのような時もあります。また4月からは『浅野真澄×山田真哉の週刊マネーランド』という文化放送のラジオ番組にもレギュラー出演しています。

先月、『結婚指輪は経費ですか? 東京芸能会計事務所』という小説を出版しました。もともと資格学校TACの機関誌「TACNEWS」に連載しているものですが、ここでの連載は『女子大生会計士の事件簿』の頃から15年ぐらい続いています。『女子大生会計士の事件簿』の頃は単なる会計トリックだけを書いていた感じでしたが、最近は昔よりもちゃんとドラマを入れているというか、ストーリーが書けている気がします。経理のトリックだけだと情報でしかないけど、情報を分かりやすく伝えるためにはドラマ性という手段が要るのかなと。

スマホはAndroidを2台持ってます。1台は普段の仕事用ですが、もう一台は完全にゲーム用。分けてるんです。仕事用のスマホにゲームアプリも入れると、ちょっとした時間でも仕事をするべきなのに遊んでしまうので、Wi-Fiにしかつながらないものにしました。家でしか遊ばなくなるから。それからはゲームをする時間が劇的に減りました。世の中誘惑が多すぎるので。

仕事用のスマホでよく使うのは、AccuWeather、雨降りアラートPROなどの天気予報アプリですね。スマホの画面には常に3つの天気アプリのウィジェットを表示させていて、雨雲の動きとかも常に見えています。AccuWeatherは動画の天気予報やってて面白いですよ。海外のアプリだから外国語で何言ってるかよく分からないし、やたら大西洋沿岸が詳しくてアジアは東京とムンバイが同じ枠内だったりするんですけど。基本的に予報図や路線図など、地図系の情報源は好きですね。今はソフトバンクのアプリ取り放題サービス「App Pass」を使ってそういう情報系アプリをいろいろ入れてます。

■世の中を見ること

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会計士や税理士は基本的に「丁寧で大雑把な人」が向いています。丁寧なのはもちろんお客様に説明する時や社内で共有する時に情報の整理が必要だからですが、大雑把がいいというのは、1円とか10円とか細かいズレが気になると時間がかかってしょうがないから。会計の世界ではよく「重要性の原則でパス!」という言い方をするんですけど、大きな会社だと100万円未満は決算上では出てこないし、確定申告でも課税所得1000円未満は切り捨てになっちゃうので、そこを「足りない合わない」と気になってしまうといつまでも仕事が終わらないんですね。

会計は流れを見るのが大事。資本がどうやって資産になって、それがどう費用になって収益につながっていって……といった全体の流れを見て、ここがウィークポイントだとか、ここを伸ばさないとねとかいうことをつかむことが重要なんですね。数字を見ることが大事なわけではない。数字にこだわっていると機械がやっているのと同じで、何の解決にもならないんです。

一般の家計でも同じこと。毎日電気をこまめに消して1日10円節約したところで年間3650円ですが、それよりも車が無駄だとか、大きなところが無駄になっていないかどうかが分からなければ意味がないんですね。今ものすごくお金に困っているのに、将来の子供たちのために以前住んでいた家を賃貸で出しているという人がいたのですが、それならまずそれを売ろうよと。維持費もかかるんだし、将来のためといっても相続税とかかかるんだし。そういう全体的な流れを見るのが、会計のセンスと言えます。

最近は電子書籍をよく読むようになりました。特に漫画ですね。紙の本は付箋貼ったりメモしたりできるのが便利ですが、漫画は付箋を貼らないんで電子書籍の方がかさばらないし汎用性が高い。それに3割引とか半額とか安くで変えることが多いから、定価で買ったら負けのような気がして。最近は書店の入口に行っても雑貨や靴下といった本以外のものがやたら売っていて、店頭を見るだけでは本のトレンドが分かりにくくなった気がしますね。

■出かけること

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自宅や仕事場の周辺を散歩するというのはほとんどなくて、仕事で普段滅多に行かない場所に行くような時に、その場所に1時間ぐらい早く行ってウロウロすることのほうが多いです。地元はいつでも行けるからと思ってしまうんでしょうね。

都内では電車よりバスを使うことが多いです。例えば僕の事務所のある渋谷から新橋駅まで行くとしたら銀座線が一番近い移動手段なんですが、目的地は駅前ではなく内幸町など徒歩10分ぐらいの場所などが多いためバスのほうが早かったりもします。それに電車は何両目に乗るかで変わるし、特に副都心線や大江戸線などの地下鉄は地下まで降りて5分、地上に出るまで5分とかかかるため、その上がったり下がったりを考えるとほぼ地上1階で済むバスのほうが早いんです。

唯一ちゃんと有料課金で払っているスマホアプリが、バスNAVITIMEです。これを使えば朝に家から出る時、今いくつ前のバス停にバスが来ているから出かけようって確認できるんですね。有料アプリは取り始めると一気に月1000円とか2000円とかになっちゃうので避けていたんですけど、バスNAVITIMEの200円はバス片道1回分だから、それぐらいならいいかなと。

それぐらいバスが好きなので、3ヶ月26,310円の都バスのフリーカードを常に持っています。渋谷を中心にすると田町や新橋、御茶ノ水、北は池袋ぐらいだったら時間がない時以外はほとんどバスで移動するんですが、その先、例えばよく見る「荒川土手行き」なんかに乗って終点まで都バスで行ってみたいなあというのが今の夢です。今は忙しくてなかなかそこまで行く時間がないので。

■お気に入りの風景

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これは広島県の福山駅構内で撮った写真です。講演などで全国各地に行くことが多いんですが、駅って必ず、こうやって券売機の上に運賃を書いた路線図がありますよね。これを撮るのが趣味です。駅や鉄道の写真は一切撮らなくて、こればっかり撮ってます。今までこの趣味を面白そうだと言ってくれた人に出会ったことはないですけど。

駅名は昔からすごく好きで、最近書いた小説の『経費ですか?』シリーズでも、天王洲あいるや竜ヶ水隼人など登場人物の名前はみんな駅の名前から取ってます。

駅の運賃表の地図って、それぞれの地域の個性が出るから好きなんです。例えば福山駅なら広島や岡山は当然入っているとしても「おっ、児島は入ってるけど宮島は入っていないな」と、どこまでを福山の人はテリトリーとして認識しているかということが分かるし、「瀬戸内海沿岸はどう描くんだろう」と実際の地図との違いが分かったりします。日本の昔の地図が中国とかフィリピンあたりまでしか描いてなくて「これが世界だ」と思ってたのと同じ、地図っていうのはその地の住民の世界観を表すものだと思うんですね。

■山田真哉 (やまだしんや)
公認会計士、税理士。兵庫県出身。
予備校講師、監査法人を経て独立。2011年、一般財団法人芸能文化会計財団の理事長に就任。
160万部を突破した『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(光文社)、100万部を突破した小説『女子大生会計士の事件簿』、最新刊『結婚指輪は経費ですか? 東京芸能会計事務所』など数多くの著作を手がける。フジテレビ『ようこそ、わが家へ』、NHK『美女と男子』等のドラマ監修、ラジオ番組『浅野真澄×山田真哉の週刊マネーランド』の出演など、幅広く活躍。
公式ブログ:「『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』100万部?日記

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