各界の最前線で活躍されているプロフェッショナルの方々の視点や意識についてお聞きする「Pro’s View」。
今回は鎌田幸子司法書士事務所の所長である、司法書士の鎌田幸子さんにお話を伺いました。女性ならではのきめ細やかな解決への対応で日々相談が絶えないという鎌田先生は、寺社巡りや歴史ゲームなどが大好きな歴女の一面も。そんな鎌田先生に、お仕事や旅行のことなど様々なことをお聞きします。
■仕事のこと
東京都品川区の五反田に司法書士事務所を開業して、７年が経ちました。相続関係や会社設立など、いろいろな案件が舞い込みます。一番多いのは事務所のホームページからの依頼です。最近は以前に比べて、例えば香港の投資家向けの事業など、外国絡みの案件が増えてきています。
３年前には弁護士、税理士、社会保険労務士など複数の女性士業の方との共著で『ダンゼン得する 知りたいことがパッとわかる 会社設立のしかたがわかる本』という題名の起業者向けの本を出版しました。それからセミナーや研修の講師の依頼もとても増えました。
普段はタブレットのNexus7を持ち歩いていて、 電話はガラケーを使っています。メールをするのも写真を撮るのもこのNexusですね。Nexusは片手で持てるこの大きさが好きです。以前使っていたiPadはとにかく重くって。私の業界では今も紙の手帳を使っている人がとても多いですが、私は全てNexusでスケジュール管理をしています。
でも、お客さんには手書きでお手紙を書くことが多いです。お客さんからお返事が返ってくることも多くて、それが仕事のモチベーションになっています。私の名前は「幸子」と書いて「さちこ」でも「ゆきこ」でもなく「こうこ」と読むのでなかなか正しく呼んでもらえず、「こうこ」と書かれた判子を手紙に押しています。その甲斐あって正しく名前を呼んでもらえるようになった時は嬉しいです。
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■世の中を見ること
司法書士という仕事は以前から「インターネットが普及してみんな自分でやるようになるから、すぐに消えて無くなる職業だ」と言われ続けているのですが、実際には無くなるどころか必要とされるケースが増えている感じで、時間が足りないぐらいに忙しい毎日です。
司法書士は合格して長期間の研修が泊まりであったりするので同期と仲良くなりやすく、また他の士業の方との連携するお仕事が多いので士業同士のつながりも強いです。でも士業以外の方と交流する機会が少なくなりがちなので、もっと積極的に外の世界の方とも交流をしたほうがいいなあと思います。
相続のお仕事に携わっていて強く感じるのは、相続では「縦のラインはもめにくいけど、横のラインでもめやすい」ということ。つまり、親と子の間は比較的円満に話が進むけど、兄弟やその配偶者などが出てくるともめやすいんですね。やっぱりお金が絡むと人は変わるもの。そういう人間関係の複雑さの真っただ中に立たされるのが、司法書士という仕事の難しさでもあり面白さでもある気がします。
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■出かけること
あちこちに出向く仕事なので、普段の休みの日は、ひたすら寝ているかゲームをしているかという感じで、あまり出歩かないですね（笑）。ゲームは昔から歴史ものをよくやるので、全国各地の地名や戦国武将にはかなり詳しくなりました。九州だったら島津氏や大友氏でプレイするとか、関門海峡から向こうは毛利氏が強くて難しいとか。
散歩のように近くに出歩くことは少ないですが、遠くへの旅行にはよく行くほうです。私の出身地は四国の松山市なんですけど、 実家には昨年だけでももう３回帰っています。
ご朱印を集めるのが趣味です。お寺や神社などでもらえる、あのご朱印です。先日は１泊２日の弾丸旅行で京都に行ってきたんですけど、京都は寺社が多くて、私のようなご朱印好きにとっては夢のような場所。いろんなお寺にいってたくさんご朱印を集めました。金閣寺や銀閣寺のものももちろんありますよ。
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■お気に入りの風景
これは先日ご朱印集めで東北地方に行った時にJR山寺駅の横の展望櫓から撮った、一般的に山寺と呼ばれる宝珠山立石寺の風景です。1015段の石段を登らなければ奥まで行けず、一段登っていくたびにけがれが落ちていくような気がするお勧めのパワースポットです。
どちらかというと神社よりもお寺のほうが好きですね。お寺のほうが何かこう複雑な感じがするので。でも今の夢は、富士山に登って山頂の神社でご朱印をもらうことです。
■鎌田 幸子 （かまた こうこ）
司法書士。愛媛県出身。
司法書士事務所勤務中の2006年に司法書士試験に合格、2007年に東京都品川区に鎌田幸子司法書士事務所を開業。相続による不動産登記、会社設立登記、債務整理など様々な相談・依頼の案件に取り組む。
2012年、各分野の女性士業と共著で『ダンゼン得する知りたいことがパッと分かる 会社設立のしかたがわかる本』を出版。研修、講演などの実績多数。
公式ブログ：「司法書士鎌田幸子のブログ」
