
幕末ファンにとって、五稜郭が舞台となった箱館戦争は幕末の最後を飾る戦いとしてとても印象深い出来事ですが、その五稜郭で蝦夷共和国を樹立し新政府軍に立ち向かった旧幕臣・榎本武揚(えのもとたけあき)には現在、こんな全身像があります。
でも榎本武揚は五稜郭のイメージが強いのでこの像が北海道にあると思っている方が多いんですけど、実は東京にあるのです。しかも場所が分かりにくく見つからなかった、という方も多いので、探しに行ってみましょう。

榎本武揚像が建っているのは、東京都墨田区の向島にある梅若公園という公園の中。こんな感じで、マンションに囲まれた場所にあります。
どうしてこの場所に銅像が建っているのかというと、明治政府の官僚として活躍した榎本武揚が晩年住んでいたのが向島だったから。
梅若公園は東武スカイツリーラインの鐘ヶ淵駅から徒歩10分ほど歩いた墨堤通り沿いにあります。

公園内には、梅若塚という東京都指定の旧跡もあります。かつて人買いに連れてこられてこの地で命を落とした梅若丸という人物を弔った塚で、ここに木母寺というお寺が建てられました。
その木母寺は現在、後方のマンションの裏の隅田川沿いに移されています。木母寺周辺には広大な東白鬚公園が広がっていて、区民の憩いの場になっています。榎本武揚像が見つからないという人の多くは、東白鬚公園の中を探してしまうようです。
あなたは、見つけることができますか?
ちょっと余談ですが、この梅若塚というのは能や歌舞伎の演題「隅田川」の話の元です。私が幼いころ約5~60年前にはこれを演じる役者さんが供養に来たものでした。現在は不明。